業務効率化・IT

Excelとkintoneの使い分け|移行を判断する8つの観点

公開 紀ノ川DX

Excelで管理している仕事を、kintoneへ移した方がよいのか。今のまま使い続けてもよいのか。判断に迷うことがあります。

Excelは、計算や表の作成、決まった様式での印刷に向いています。一方、kintoneは、複数人で情報を共有したり、申請や仕事の進み具合を管理したりするときに選択肢となります。

ただし、すべての仕事をkintoneへ移す必要はありません。Excelのまま改善した方がよい仕事もあります。kintoneとExcelを組み合わせる使い分けもできます。

この記事では、どちらか一方に決めつけません。仕事の内容に合った方法を見分けるために、8つの観点から整理します。

Excelとkintoneの使い分け早見表

観点Excelのままでよい目安kintoneを考えたい目安
使う人数一人または限られた人が使う入力・確認・承認を複数人で行う
ファイル管理保存場所と最新版が明確コピーやメール添付が増えている
引き継ぎ担当者以外でも状況が分かる担当者のパソコンやメールを見ないと分からない
承認や期限件数が限られ、確認方法が決まっている申請の状態や期限を管理したい
外出先での利用決まったパソコンで作業するスマートフォンから確認・入力したい
データ量件数が限られ、過去の検索が少ないデータが増え、条件を指定して探したい
閲覧範囲利用者が限られている人によって見せる情報を分けたい
計算・印刷複雑な計算や帳票作成が中心受付・共有・進捗管理が中心

Excelとkintoneは、得意な仕事が違う

Excelは表計算ソフトです。数字の計算、表やグラフの作成、決まった様式での印刷などに使えます。

kintoneは、仕事に合わせた業務アプリを作り、情報を共有・管理するためのクラウドサービスです。クラウドサービスとは、インターネット上で使うサービスのことです。

どちらを使うかは、機能の多さだけでは決められません。その仕事を何人で行うのか。データをどのように受け渡すのか。承認や期限があるのか。このような点を確認する必要があります。

ここからは、紀ノ川DXの簡易診断で見ている8つの観点に沿って整理します。

現在の仕事を確認したい方は、kintone簡易診断もご利用ください。

観点1:使う人数(見る人・承認する人も含む)

最初に確認したいのは、その表やファイルを使う人の人数です。

ここでいう「使う人」には、データを入力する人だけでなく、内容を見る人や承認する人も含みます。

Excelのままでも進めやすい場合

一人、または限られた人だけが使う表で、ほかの人との共有がほとんどない場合は、Excelのままでも管理しやすいでしょう。

たとえば、個人で行う計算や、作成した人だけが更新する資料です。ファイルを渡す必要がなく、保存場所も決まっているなら、現在の方法を続ける選択肢があります。

kintoneを考えたい場合

入力する人、確認する人、承認する人など、複数の人が同じ情報を扱う場合は、kintoneが選択肢になります。

誰が情報を入力するのか。誰が内容を見るのか。どこまで編集できるようにするのか。役割を整理してから、共有方法を考えます。

人数だけでなく、情報を受け渡す回数や、それぞれの役割も確認しましょう。

観点2:ファイルの取り違え(最新版・同時編集・メール添付)

Excelを複数人で使うときは、ファイルの管理方法を確認します。

「どれが最新か分からない」「ほかの人が開いていて保存できない」「メールに添付して回している」といった状態がないかを見ます。

Excelのままでも進めやすい場合

保存場所とファイル名が決まっていて、最新のファイルを迷わず確認できる場合は、Excelを続ける方法があります。

更新する人が決まっていることも大切です。誰が、いつ、どのファイルを更新するのかが明確なら、取り違えを防ぎやすくなります。

Microsoft 365をお使いの場合は、条件を満たせばExcelの共同編集を使い、複数人で同じブックを開いて作業できます。共同編集には、対応するExcel、ファイル形式、保存場所などの条件があります。

kintoneを考えたい場合

同じファイルのコピーが複数ある場合や、メールに添付して受け渡している場合は、情報の持ち方を見直す方法があります。

kintoneでは、情報をレコード単位で管理します。レコードとは、案件や申請など、1件分の情報のまとまりです。

ファイルをコピーして回すのではなく、一つの場所にある情報を確認する形に変えられるかを考えます。

Excelの案件管理表を移す前に確認したいことは、noteの記事「Excelの案件管理表を、kintoneに移す前に決める3つのこと」にもまとめています。

観点3:担当者が休んだときの引き継ぎ

次に確認したいのは、担当者以外の人が仕事の状況を確認できるかです。

Excelを使っていること自体が問題なのではありません。保存場所や記入方法が共有されているかが大切です。

Excelのままでも進めやすい場合

ファイルの保存場所、入力方法、確認する項目が決まっていれば、担当者が休んでも別の人が対応できる場合があります。

引き継ぎに必要な情報が表の中にそろっているかも確認します。

kintoneを考えたい場合

仕事の進み具合が担当者のパソコンやメールの中にあり、ほかの人が確認できない場合は、情報を共有する仕組みを考える必要があります。

案件の状態、次に行うこと、期限などを共通の項目として持つ方法があります。必要な情報がそろっていれば、担当者が不在でも状況を確認しやすくなります。

ただし、kintoneを導入するだけで引き継ぎが完成するわけではありません。何を入力するのか。いつ更新するのか。社内で決めておくことが大切です。

観点4:承認や期限のある申請

休暇や経費の申請、見積りの承認、契約の更新期限などがある仕事では、申請から完了までの流れを確認します。

一般的な例として、社員が休暇を申請し、上司が内容を確認して承認する流れがあります。

Excelのままでも進めやすい場合

申請件数が限られており、申請する人や確認する人も決まっている場合は、Excelで一覧を管理する方法があります。

期限の確認方法が決まり、未対応の申請を確認できるなら、現在の管理方法を続ける選択肢もあります。

kintoneを考えたい場合

申請する人と承認する人が分かれている場合や、現在の状態を確認したい場合は、申請の流れをkintoneで管理する方法があります。

「申請前」「確認中」「承認済み」などに分け、現在の状態を確認できる形を考えます。

実際に必要な設定は、申請の内容や社内ルールによって異なります。導入前に確認しておきたいことは、kintone導入前チェックリストにまとめています。

観点5:外出先・スマートフォンでの利用

仕事をする場所も、使い分けを判断する観点の一つです。

事務所のパソコンだけで使うのか。外出先やスマートフォンから見たり、入力したりしたいのかを確認します。

一般的な例として、外回りの担当者が、訪問先で取引先の情報を確認する仕事があります。

Excelのままでも進めやすい場合

決まったパソコンで作業し、外出先で確認する必要がない場合は、Excelでも進めやすいでしょう。

複雑な入力や細かな表の編集は、パソコンの方が扱いやすい場合があります。

Excelのモバイルアプリを使えば、スマートフォンなどからExcelファイルを閲覧・作成・編集できる場合があります。利用できる機能は、端末や契約内容などによって異なります。

kintoneを考えたい場合

外出先で取引先の情報を確認したい場合や、スマートフォンからその場で入力したい場合は、kintoneを含めた管理方法を比べます。

スマートフォンで使う場合は、表示する項目を増やしすぎないことも大切です。どこで、誰が、何を確認・入力するのかを先に整理します。

観点6:たまっていくデータの量

データの件数と、保存する年数も確認します。

数百件ほどなのか、年に数千件なのか、何年分も残す必要があるのかによって、管理方法が変わります。

一般的な例として、取引先との電話、メール、訪問などの対応記録を継続して残す仕事があります。

Excelのままでも進めやすい場合

データの件数が限られており、古い記録を頻繁に探す必要がない場合は、Excelでも管理できます。

年度ごとにファイルを分ける場合は、保存場所とファイル名の付け方を統一しておきます。

kintoneを考えたい場合

データが継続して増え、過去の記録を条件で探したい場合は、kintoneで項目を分けて管理する方法があります。

たとえば、取引先、担当者、対応日、対応内容、現在の状態などです。どの条件で検索したいかを先に決めると、必要な項目を整理しやすくなります。

データの件数だけで決めず、過去の情報をどのように探し、何に使うのかも確認しましょう。

観点7:見せる範囲を分けたい情報

給与、評価、取引条件、個人情報などを扱う場合は、誰がどの情報を見られるのかを確認します。

一般的な例として、社員ごとの評価を管理する仕事があります。評価の内容は、全員に同じように見せる情報ではありません。

Excelのままでも進めやすい場合

利用する人が限られ、保存場所や受け渡し方法が決まっている場合は、Excelで管理する選択肢があります。

ただし、メールへの添付や保存先の間違いが起きないように、社内の取り扱いルールを決めておく必要があります。

kintoneを考えたい場合

複数の人が同じ仕組みを使う中で、見せる情報を分けたい場合は、閲覧できる範囲を整理してからkintoneの利用を考えます。

どの人に、どの情報を、どこまで見せるのか。仕事の内容と社内ルールに合わせて決める必要があります。

個人情報を含む場合は、使いやすさだけでなく、保存方法や閲覧範囲も含めて検討します。

観点8:複雑な計算や決まった様式での印刷

紀ノ川DXの簡易診断では、複雑な計算や決まった様式での印刷が仕事の中心である場合を、Excel寄りの観点として扱っています。

Excelのままでも進めやすい場合

複雑な計算式を使う仕事や、決まった位置に数字や文字を配置して印刷する仕事は、Excelを残す方法があります。

計算結果を細かく調整したい場合や、帳票の形を整えることが中心の仕事も同様です。帳票とは、見積書や一覧表など、決まった様式で作成する書類のことです。

kintoneとExcelを使い分ける場合

情報の受付、共有、進み具合の管理はkintoneで行い、複雑な計算や印刷はExcelで行う方法があります。

一つの道具ですべてを処理するのではなく、それぞれの得意な部分を使い分ける考え方です。

ただし、同じ情報を二重に入力すると、手間や入力間違いが増えるおそれがあります。どちらを元のデータにするのかを先に決めます。

kintoneを検討するときに確認したい費用と契約

kintoneを利用するには利用料がかかります。また、コースごとに最低の契約人数が決められています。

契約前に、利用する人数、必要な機能、選ぶコースを確認してください。最新の条件は、kintone公式料金ページで確認できます。

確認日:2026年10月18日

実際に使う人が少ない場合は、kintoneの契約条件を確認したうえで、Excelのまま改善する方法と比べる価値があります。

たとえば、ファイルの保存場所や入力方法を統一する方法があります。繰り返し作業がある場合は、Excelマクロで自動化する方法も選択肢です。Excelマクロとは、Excel上の決まった操作を自動で行う仕組みのことです。

費用だけで決めるのではなく、管理する仕事の内容、使う人数、入力や確認にかかる手間も合わせて整理します。

まとめ

Excelは、複雑な計算や決まった様式での印刷を中心とする仕事に向いています。利用者が限られ、ファイルの保存場所や更新方法が決まっている場合は、Excelのまま管理する方法があります。

Microsoft 365の共同編集やExcelのモバイルアプリを使い、現在の管理方法を改善できる場合もあります。

一方、複数人が同じ情報を使う仕事、申請や期限を管理する仕事、過去の記録を条件で探したい仕事では、kintoneを含めた仕組みの見直しが選択肢になります。

大切なのは、「Excelだから古い」「kintoneならすべて解決する」と決めつけないことです。

仕事の内容を8つの観点から確認し、Excelを残す部分と、仕組みを見直す部分を分けて考えましょう。詳しくは、kintone・業務改善のサービスのページでも紹介しています。

迷ったら、kintone簡易診断で自社の仕事を当てはめてみてください。

Excelの改善もkintoneの導入もご相談ください

紀ノ川DXでは、Excelのまま改善する方法と、kintoneを導入する方法のどちらからでも相談できます。

入力方法やファイル管理の決まりづくり、Excelマクロによる自動化についてもご相談いただけます。kintoneをまだ契約していない段階でも相談できます。

相談・見積りは無料です。お問い合わせには原則24時間以内に返信します。

この記事を書いた人

紀ノ川DXの運営者。
鹿児島県生まれ。2歳から和歌山県橋本市で育ち、現在も橋本市を拠点にしている。
商社で総務・経理・労務を担当し、社内のIT管理者を務める。紀ノ川DXについて

参考にした情報

業務改善・kintone・Excelのご相談は、問い合わせページから受け付けています。

無料で相談する

お役立ち情報の一覧へ戻る

無料相談 一覧へ